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「四月ばーか」文庫版

松久淳+田中渉/著 講談社文庫/刊 定価400円(税込) 2005年3月中旬発売

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1997年4月1日、あなたは、誰を好きでしたか?

 1997年3月、東京。その日、デザイナー守山亨の部屋に、2人の友人が転がり込んできた。一人は10年来の親友で美容師の今野新一。そして一人は、10年以上海外暮らしをしていた旧友の北村朋子。

 その日から共同生活を楽しむ3人だが、3人はそれぞれにある問題を抱えていた。友人たちに告白することもない、それぞれの物語。しかし、彼らの知らないところで、その物語たちは互いに絡まりあっていた。

 やがて4月を迎えたとき、3人は……。

 

「四月ばーか」

松久淳+田中渉/著 講談社/刊 定価1200円(税別) 2003年3月11日発売

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<目次>
●四月ばーか 第1話 一九九七年三月一三日(木)
       第2話 一九九七年三月一七日(月)
       第3話 一九九七年三月一九日(水)
       第4話 一九九七年四月一日(火)
       第5話 一九九七年四月一〇日(木)
●一九九七年四月六日、日曜日
●エイプリルフールズ

初出

「FRaU」誌02年11月26日売号、「Web現代」03年1月29日号より同時連載『四月ばーか』は以上3編/全7話の物語です。FRaU誌では、「四月ばーか」の5話と、「エイプリルフールズ」(雑誌掲載時のタイトルは「一九九八年四月一日(水)」)の全6話での連載でした。

 

 

おまけ (2003.3.17)

 たぶん気づく方はほとんどいないと思うんですけど(ってその前に『プール』も『四月ばーか』もそして週松も全部読んでる方が何人いるやらですが)、『プール』『四月ばーか』には、微妙にリンクしあってるシーンがあります。普通にそれぞれ読んでもたぶんわからないと思うんですけど。というか、もちろんリンクしてなくてもちゃんと物語が成立するように書いているんですけど。

 解説しよう(富山敬さんの声で)。

 ふたつの物語に共通して登場するのは、誰かさんをモデルにしたような「吾妻久史」というお調子者編集者。『プール』の主要人物「叶井瑞江」という女性も、『四月ばーか』の1エピソードに登場します。

 まずは『プール』P62からの吾妻のシーン。「日曜日だというのに急きょ呼び出しを食らった吾妻は」とありますが、このシーン、実は『四月ばーか』P139から続く、同日のエピソードなのです。

 『四月』で、律子という女性に瑞江を紹介した吾妻。その夜、瑞江や他の友人たちとの約束があり、律子と別れたあとは瑞江とドライブでもして時間つぶしをするつもりでした。が、「急な仕事の呼びだし」。

 で、『プール』で、夜11時になってようやく仕事から解放された吾妻が、皆が待ってる約束のスペイン料理店にようやくやってくる、ということなのでした。

 さてそうなると、さすがにこれに気づく人はいなと思いますが、『プール』P67、スペイン料理店シーンのラスト、瑞江が吾妻に言う「人がいなくなるってことはさ」という台詞、これは『プール』の斑目さんのことではなく、『四月』の律子の話を受けてのものだ、ということになります。びつくり(読み方はアクセントなしで「びーつーくーりー」)。

 というわけで著者自らの(あんまりありがたくない&納得する人がいるかいないかすらわからない)解説でした。2冊とも購入された素敵なあなただけへのメッセージでした。